[イベントレポート]- 9月9日無料ライブ配信 -「集まれ地方の先生!オンライン井戸端会議 #1」地方の認定こども園の園長先生の本音、聞いてみませんか?

セミナーレポート

 2022年9月9日開催のオンラインイベント『集まれ地方の先生!オンライン井戸端会議 #1 地方の認定こども園の園長先生の本音、聞いてみませんか?』のイベントレポートです。

目次

井戸端会議メンバー

安本 親之(大阪府河内長野市・おしお幼稚園)
安藤  誠(長野県須坂市・マリアこども園)
三浦 昌平(鹿児島県曽於郡大崎町・大崎幼稚園)
西尾 真吾(VISH株式会社)
コーディネーター:藤田 俊(リンクエイジ株式会社)

開催概要

■開催日 :9月9日(金) 17時00分-18時30分
■開催方法:Web開催(Zoom)
■参加費 :無料 ※要申込
■主催  :VISH株式会社、リンクエイジ株式会社

※掲載内容は2022年9月9日時点の情報となりますので、ご了承ください。

【この井戸端会議について】

「なかなか言えなかったけど、こういう井戸端会議が楽しいし、一番ためになるよね!」
とある先生の呟きから、企画を実行。

今回は、長野県・大阪府・鹿児島県の園長先生たちが、悩みや本音を楽しくお喋りするだけの井戸端会議をそのままオンラインでお届け。
出生数が少ない地方の幼稚園・認定こども園の悩みや工夫、あれやこれやを聞きながら、事例共有や解決案を模索する予定。
みんなでワイワイするだけの90分。
みんなで共感し、情報を共有しあいませんか?
同じ課題を抱える、別地域の先生と繋がることで、相談相手や仲間を増やすチャンスになるかもしれません。

井戸端会議で聞ける話がアナタの幼稚園の今後のヒントや悩みを解決するキッカケになるかも?

episode1. はじめに

田中 皆様、オンライン井戸端会議にご参加いただきありがとうございます。総合司会という形で、VISH株式会社・田中から簡単ではございますがご案内をさせていただきます。井戸端会議での開催になりますので、ざっくばらんにご参加いただければと思っております。

はじめに、静岡のバスの事故も皆様ご認識の通りだと思います。あのような痛ましい事故がありました。
まずは亡くなられた園児の方のご冥福をお祈りいたします。
弊社のシステムとは関係のないアプリではあったのですが、僕たちの方でも先生方の安全や安心、保護者の方の安心の部分について何か寄与できればと考えております。これからも何かございましたら、ぜひぜひご要望いただければと思います。

ではセミナーに入っていきます。
簡単ではございますが、コーディネーターと弊社の参加者をご紹介させていただきます。
コーディネーターとしまして、リンクエイジ株式会社代表取締役の藤田俊さん、そして弊社、西尾真吾が参加させていただきます。
簡単に今回お話をいただきいます井戸端会議メンバーをご紹介をさせていただきます。
大阪府河内長野市・おしお幼稚園の安本親之先生、長野県須坂市・マリアこども園の安藤誠先生、鹿児島県曽於郡大崎町・大崎幼稚園の三浦昌平先生のお三方です。
ここでコーディネーターの藤田さんに引き継ぎたいと思います。皆様どうかよろしくお願いいたします。

episode2. 登壇者の自園と自己紹介

おしお幼稚園 安本 親之先生(大阪府河内長野市)
おしお幼稚園:安本 親之先生(大阪府河内長野市)

おしお幼稚園 公式HP:https://oshio-smilekg.net/

おしお幼稚園について

●地域の概要
安本 学校法人道輝学園認定こども園おしお幼稚園の安本と申します。よろしくお願いします。はじめに大阪府河内長野市という地域について少し紹介させていただきます。
河内長野市は大阪府の中で下の方、つまり南の方で和歌山県の北部と隣接した地域になります。面積は広いんですが、人口10万人程度の町です。
特徴としては「教育立市宣言」をしており、ずっと教育に力を入れ続けていること、年間発生犯罪率が大阪府で一番低い、安心安全な街であることがあげられます。
出生数は令和4年時点で年間約440人しか赤ちゃんが生まれていません。未就学児0歳から5歳の割合が、全体に対して3.5%程度しかいません。保育施設は幼稚園、認定こども園が10園あり、保育園、認定こども園を含めて14園、うち公立が1園で、子どもの割合に対してすごく保育施設が充実している町です。課題としては急速な少子高齢化が現在進行形で進んでいて、大阪府の衛星都市としてはワーストワンといわれています。

●おしお幼稚園の概要
安本 では、おしお幼稚園の紹介を少しさせてください。河内長野市の一つのニュータウンの中、住宅街の中にある幼稚園です。開園は昭和51年4月で、マックスの園児数は平成2年の350名です。一応認可定員が350名から360名ぐらいを設定していましたので、フルで入っていたということです。

転機としては平成29年4月から幼稚園型認定こども園を取得しました。認定こども園に移行し、1歳児、2歳児クラスを新設しています。現在は全園児数で158名となっています。
課題としては、1号認定の3歳児の新規入園数が激減していることです。これは市全体の課題でもありますが、ターゲットを0歳児・1歳児・2歳児の獲得に向けていくのが賢明かなと悩んでいるところです。

●認定こども園移行のきっかけ
安本 認定こども園に移行したきっかけは下記の通りです。


1.試算を繰り返し、試算上利益を見込めた。安定的に運営できそうだということが見込めたこと。
2.少子化の影響から園児数が激減していたので、もう未満児から獲得していかなければ子どもを獲得することは難しいと思った。
3.保育の質を向上したかったので、職員数を増やして手厚い保育をしたかった。
4.未満児からの保育の継続性を持ちたいということ。
このような理由から移行し、その結果、いろんなところでメリットが出ていると感じています。

●園の特徴
安本 おしお幼稚園の特徴は3つあります。

おしお幼稚園の3つの特徴

1.特徴ある保育:差別化を図りたくて、地域的にプロジェクトアプローチというのに取り組んでいます。話し合い活動を中心にして、自分たちで課題を見つけて解決していくことを大切にしています。

2.つながり:保護者さんを巻き込んでいろいろつながっていきたいな。保育の中身も保護者からの意見を聞きながら一緒に作っていくことがあります。地域も巻き込んでいきます。地域の商店であったり、事業者さんとつながることで、子どもたちに還元していくことがあるかなと思っています。

3.子育て支援:未就園児をどのように園に来てもらえるようにするか。来たいな、この幼稚園、と思ってもらえるかに焦点当てながら、取り組みを考えています。また近年、特別支援というところは、外せないことにもなっています。その辺りの勉強もしていこうと考えています。

●自己紹介
安本 最後に私個人の自己紹介ですが、安本親之と申します。1978年6月生まれで現在44歳です。大学を卒業した後、化粧品メーカーの営業職として名古屋で2年間働いた後退社。河内長野市内の公立小学校で常勤講師として4年間勤務した後、府の採用試験に合格して富田林市の公立小学校で8年間勤務。12年間の教職生活を終えて退職し、おしお幼稚園の事務職として4年間勤務し、令和元年より園長職に就任して現在に至るというところです。


マリアこども園 安藤 誠先生(長野県須坂市)
【マリアこども園:安藤 誠先生(長野県須坂市)】

マリアこども園 公式HP:https://www.mariakids.jp/

マリアこども園について

●地域の概要
安藤 学校法人聖母マリア学園幼保連携型認定こども園マリアこども園の安藤と申します。よろしくお願いいたします。
マリアこども園は長野県須坂市という地方都市にあります。人口は5万人で、年間290人しか子どもが産まれていません。市内の公立保育園が10園、私立保育園が5園、私立こども園が3園、私立幼稚園が1園です。2021年度、古くからある幼稚園が一つ閉園になりました。子どもが減っているのが現状です。
須坂市は、長野県の県庁所在地である長野市の隣にあります。皆さんご存知かわかりませんが、小布施町という観光地が隣にあって、志賀高原にも近い立地です。再来年度、須坂のインターにイオンモールができます。

園の概要
安藤 当園の経緯は、1956年にマリア保育園としてスタートして、1964年に幼稚園に変わり、そして2014年にこども園へと移行しました。移行したときの定員は、0歳児・1歳児・2歳児の全部で30人としましたが、今後を見据えてもうちょっと増やしていきたいと考え、2018年に0歳児・1歳児用のマリアこども園分園を隣地にオープンしました。そして2022年4月に、約3年前に閉園した幼稚園から土地を譲っていただいて、そこに0歳児・1歳児・2歳児の全部で定員30人のマリアこども園きたすざかを作りました。

現状ですけれども0歳児・1歳児・2歳児・3歳児・4歳児・5歳児はこんな感じになってます。0歳児についてはきたすざか、そして本園ともに定員がいっぱいになる予定です。1歳児については、きたすざかは今年オープンしたということで3人です。そして2歳児についても5人です。本園は2歳児は18人で、満3歳児誕生日を迎える子が1人、そのお子様は満3歳の方に移る予定です。

マリアこども園について(2)

認定子ども園移行のきっかけ
安藤 こども園に移行した理由は、園児数の減少です。1978年に360人いたのが、2012年、私が園長になった頃にはいきなり66人にまで減り、2022年度は160人です。

職員数も、1978年は20人以上でしたが、2012年はたった6人、そして2022年度はパートの先生たちも入れて34人になってます。

移行した理由は園児数減少で、このままではもう立ち行かなくなると思ったので、こども園に移行しました。この移行にあたっては、こども園とはなんぞやみたいなセミナーに参加しました。すると講師が「皆さんは、慶応幼稚舎でも経営してるんですか、慶応幼稚舎ならいくらでも幼稚園でやっていけるけれども、そうでない園は、これからはこども園になって、0歳児・1歳児・2歳児からちゃんと面倒見ていかなきゃ駄目ですよ」というお話を聞いて、ああそうなんだって思いました。こども園移行のコンサル業務をフレーベル館がやられていたので、お願いをして移行しました。その時に「須坂マリア幼稚園 認定こども園化」というテーマで第8回キッズデザイン賞をいただいています。

園の特徴
安藤 マリアこども園は今何に力を入れているかというと、多様性への対応ということで、給食に世界のランチを出そうと、ハンバーガーを給食に出したり、様々な国のランチを提供しています。あとこの前の事前の打合せで話題になった、カームダウンルーム。やっぱり落ち着かない子どもにこういう部屋を用意しておくと、そこで落ち着いて、また保育に戻ってきてくれるといった感じで運用しています。

あと、職員業務の負担軽減という点では、バスキャッチを活用して業務負担がだいぶ軽くなったということで、ありがとうございます。

情報発信ではYouTubeとかで発信しています。YouTubeのチャンネル登録者数が今1万1000人をちょっと超えてるところです。


 マリアこども園 YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/suzakamaria

自己紹介
安藤 私自身は1971年生まれの50歳です。私は何の取り柄もない人間だったので、父親に、とりあえず英語だけでもできるようにということで、ニューヨーク市立大学に留学しました。マスコミの勉強をしたんですが、全然マスコミには引っかからず、PAL Japan USAという会社に入りました。そこは日本人駐在員のためにラップトップコンピューターなどの修理や販売をしてる会社で、IT系のいろいろと仕事をさせてもらいました。このままアメリカでやっていくのもいいなと思ったんですが、VISAの関係やグリーンカード取得などもろもろありまして、日本に帰らざるを得なくなり帰国しました。そして父が理事長・園長をやっていた幼稚園に入社しました。その後、2000年に副園長になり、2006年に園長になっております。2014年のこども園移行後も引き続き、園長をやらせていただいております。


大崎幼稚園 三浦 昌平先生(鹿児島県曽於郡大崎町)
大崎幼稚園:三浦 昌平先生(鹿児島県曽於郡大崎町)
大崎幼稚園について

地域の概要
三浦 鹿児島県の学校法人三浦学園幼保連携型認定こども園大崎幼稚園の園長をさせていただいてます三浦といいます。よろしくお願いいたします。

大崎幼稚園がある大崎町の人口は8月1日で1万2387人です。今は1万人以上いるのですが、町が出してる2040年の人口ビジョンによると、18年後は7838人という予想です。今の63%ぐらい、それぐらい少なくなる予想です。0歳から5歳の人口は現在460人ですが、2040年は308人と予想されています。これも現在の67%ぐらいです。家庭保育をされる方が一定割合いて、今では2〜3割ぐらいいらっしゃいます。この家庭保育を考慮すると、2040年の0歳から5歳で保育園、幼稚園、認定こども園を利用する数は216人ぐらいかと思っています。現在の大崎町全体の保育園、認定こども園合わせた利用定員435人なので、このままどこの施設も定員を変えなければ、明らかに充足率は50%になります。定員を下げて生き残るか、もしくは今7施設ありますけれど、これが半分になるのかという危機状況にあります。

園の概要
三浦 学校法人大崎幼稚園は、平成30年に幼保連携認定こども園になって5年目です。定員は85名です。令和3年度までは定員が100名、1号認定60名、2号認定40名でしたが、子どもたちの減少に合せて今年度から定員を85名、しかも1号と2号の定員をもうガラッと変え、1号を少なくして15名、2号3号を70名、合計85名としました。現在在園しているのは96名です。

姉妹園として、社会福祉法人青松会大丸保育園が幼稚園から1.2キロぐらい先にあります。こちらも幼保連携型認定こども園です。もともとは保育園だったんですが、大崎幼稚園が幼保連携認定こども園になるタイミングで、一緒に幼保連携型認定こども園になりました。大丸保育園は、すごく小さな保育園で、定員が35名、1号が5名、2号3号が30名となっています。この幼稚園と保育園以外に学童クラブが2施設、大崎幼稚園と大丸保育園に一つずつあり、それぞれの定員は40人です。小学1年生から6年生まで、近隣の五つの小学校へお迎えを行っています。

最後に子育て支援センターは学校法人について。未就園児の親子を対象に、月曜日から金曜日の10時から3時まで、大体毎日10名前後の保護者が利用してくださっています。今日は、多分英語遊びだと思うんですが、毎日いろいろイベントを考えてやってるところです。

認定子ども園移行のきっかけ
三浦 認定こども園に移行したきっかけについて、話させていただきます。

1つ目は大崎町の人口減少です。全体のパイも少なくなってきていますし、0歳から5歳の人数も少なくなってきています。この人口が減少している地域で、これからどうやっていこうかというのが認定こども園に移行したひとつのきっかけです。

2つ目は姉妹園、大丸保育園も一緒に認定こども園になりましたが、認定こども園になる前は普通の保育園で、大崎町からの民間委託で始めました。そこで保育園の公定価格など、補助の内容を初めて自分たちも知りました。

私学助成の大崎幼稚園は定員が130人、民間委託を受けた大丸保育園は定員が30人です。この2園を比べたときに、人数は保育園よりも、幼稚園が3倍近くいたんですが、運営費を見ると、明らかに30人の保育園の方が高くて、2倍とまではいかなかったんですけど1.5倍ぐらいでした。そういう状況があったので、保育園と幼稚園、この運営の仕方、あとは補助の手厚さを実際に目の当たりにして、認定こども園になってもいいんじゃないかなと、非常に強く感じました。

保育の違い
三浦 そして、人数が多い大崎幼稚園と少ない大丸保育園を比べると、どうしても大丸保育園の方が子どもたち一人一人に目が行き届く保育ができていて、保護者とも近く、手厚く愛情をかけた保育ができているのを見たときに、大崎幼稚園はこのままでいいのかなと思っていました。

園児募集に気を取られる
三浦 私学助成の大崎幼稚園は130名定員だったので、その定員を満たさないといけません。私学助成の先生方はわかると思うんですけど、子どもたちの数が多くないといけないってことで、やりたい保育あっても、まずは子どもたちがいないと運営ができない。どちらかというと園児募集に気を取られていました。定員を満たすためのイメージがあり、このままでいいのかなと思いました。

職員の声
三浦 あとは認定こども園になるときに、職員から「このまま幼稚園でいきましょうよ」という声が上がるかなと思ったんです。ところが意外にも職員は、年少さんから年長さんの3年間よりも、0歳から年長さんまでの6年間の成長を見たいっていう方が多かったんです。教育実習で保育園とか他の施設に行っていて、未満児さんを預かる責任ももちろんありますけれども、そのやりがいを僕ら以上に職員の方がわかっていました。ぜひ認定こども園になって、0歳児・1歳児の子どもたちも預かりたいという声もあり、どんどん気持ちが認定子ども園移行に傾いていきました。

老朽化した園舎の問題
三浦 今でも隣に旧園舎がありますが、当時は築40年ぐらいなのでそろそろ建て替えしないといけない時期でした。私学助成の園だと補助率も少ないし、補助される施設の数も少ない。認定こども園になったときには、こども・子育て基金とかを使えますよということで、もしもその補助をいただけるんだったら、認定こども園になるのをきっかけに、園舎の建て替えをしようかなと思いました。

仲間の園長が背中を押した
三浦 鹿児島県私立幼稚園協会で自分はいろいろな仕事をさせていただき、協会の先生方とはざっくばらんに話ができる雰囲気があります。どんどん他の園が認定こども園になっていると聞いて、その先生方に「どうですか?うちもなろうと思ってるんですけど」って相談すると、みんな自分のことのように親身になって話を聞いてくれました。「運営の面とか考えたり、何か建学の精神がなくなるとかいう声もあるけれど、運営面の基盤がしっかりできれば、自分たちのやりたい保育、建学の精神に基づいた保育もできるよ」というふうに背中を押してもらって、どんどん気持ちが傾いていきました。

走りながら考えよう
三浦 最後は協会の先生方もそうなんですけれども、とりあえずいろいろ問題はあるけれど、走りながら考えようよ、みたいな声をたくさんもらいました。いろいろ心配していてもしょうがないので、とりあえずなってみて、なった後に問題がいろいろ出てきたら、またみんなと相談しながら解決していけばいいなと思って、結局5年前に決断しました。

園の特徴:多様性と包括性
三浦 これからの大崎幼稚園をどうしていこうと思ってるかですが、よく言われるダイバーシティとインクルージョンみたいな感じになります。今自分が思っている、やりたい保育とちょうど合う言葉は、多様性と包括性です。

新制度移行の多様性
三浦 認定こども園になって良かったと話しましたけれど、認定こども園になるもならないも多様性なんです。私学助成のまま行きたいっていう園もあれば、認定子ども園になる園もあってもいいですし、そこはそれぞれの園の考え方だと思います。いろんな園があるのが、すごく素晴らしいなと思うので、そういう多様性も非常に大事なんじゃないかなと思っています。

保育の多様性
三浦 今は子ども主体の保育といわれていますが、大崎幼稚園は一斉保育がメインです。そこから少しずつ子ども主体の保育も取り入れながらやっていきたいなあと思ってるところです。子ども主体の保育に舵を切る園があってもいいし、がっつり一斉保育の園もあってもいいと思います。結局、どんな保育してますよと地域と保護者にしっかり発信ができていれば、小学校とか中学校とかと違って、保護者が選べますよね。この園に行きたい、ちょっと合わなかったらこの園にしようとか、保護者に選択権があるのがすごく幼稚園、保育園のいいところなんです。だから自分の園の横に、全然違う保育のやり方をする園があった方がいいと思いますし、全部が同じ方向を向いて同じやり方でやっていくのは、ちょっと不自然ですよね。だから大崎幼稚園らしさを探しながらやっていきたいと思っています。

定員の多様性
三浦 大崎幼稚園は定員を100人から85人に変更しました。100名定員のときは、100名を満たしたら定員を満たしている、100名を満たしていなかったら定員割れなんです。85名にして、今は96名なので定員を満たしていると僕も職員も思っています。もしも100名のままなら、今は定員割れ。この定員も、市町村によっては柔軟に設定はできないようですが、ある程度人口動態とか地域性を考えながら、無理のない定員設定、認定区分もそうですが、できるのであればしてもいいんじゃないかなと思います。

効率化とICT
三浦 仕事の効率化とICTではバスキャッチさんにお世話になっています。今日もまた新しい機能を出していただいて、早速うちの事務が気づいて「先生なんかすごくいいシステム変更になってます」と言ってきました。確認したら、出席をちゃんとアクションして出席確認するってボタンができいました。すぐに営業さんにありがとうございますと送ったんですけど、その横に、在園してるのか、登園前なのかっていうのがあったらもっといいんじゃないですか、ってリクエストをさせてもらいました。このように、バスキャッチとかを使いながら仕事の効率化をさせていただいております。

建学の精神を再構築
三浦 建学の精神については、認定こども園になると建学の精神がなくなるんじゃないか、建学の精神を保つためには私学助成だ!と、いろんな先生がおっしゃっているのをお聞きしています。認定こども園に移行して、経営とかが落ち着いたら、自分たちのやりたい保育をやったり、建学の精神は作り直してもいいと思うんです。今いる職員と園長先生、理事長先生で、新しい自分たちらしい建学の精神を再構築すればいいんじゃないでしょうか。

園内研修が一番大事
三浦 あとは質の向上ですね。県の協会とか全国でいろいろな研修がありますが、結局は園内研修が一番大事じゃないかと思います。この前、鹿児島の橋口先生(認定こども園 吉田南幼稚園)とも話したんですが、橋口先生は自園の職員を連れて、他の園に定期的に園見学行って、それを持ち帰って、みんなでフィードバックし合い、こういう園にしたいね、という話をされています。保育のやり方とか、新制度に移行しているしていないとかでいろいろな考え方があるので、自分たちの今いる職員、今いるメンバーで研修して、建学の精神を作ったり、こういうふうにやっていこうと話していくのがすごく大事なんじゃないかと思います。園内研修をこれから一番大事にしていきたいと思ってます。

インクルージョン(これからの幼稚園、保育園の役割)
三浦 支援センターもしてるので、未就園児の方とかこれから療育、学童もしていきます。地域から中高生もちょっと見れないか、どっかに自習室みたいな場所を作れませんかっていう声もあったりしています。今は子どもさんがいるご家庭を相手にしてますけど、もしかしたら結婚してない人とか、妊娠してる方とか、妊娠する前とか、お母さんとかお父さんとかも、いろいろなサポートができるような施設になっていかないといけないんじゃないかなと思っています。

最近、新聞とかでも出ますけど無園児、つまり幼稚園、保育園に通ってない方の処遇がこれから動き出します。支援センターとかを窓口にしながら、サポートできればいいのかなと思っています。里親とか、両親がいないとか、そういうのもこれからの幼稚園、保育園の役割になってくるんじゃないかなと思ってるところです。

藤田 ありがとうございました。思っていたよりすごくいい話をガッツリとお話しいただきました。この座談会を開催するにあたり、3回の事前打ち合わせを行いました。その中で先生方3人ともすごく楽しそうにしていて、ためになる情報がたくさんありました。そんな話をいろんな共通する課題を抱えている先生方に聞いていただけるといいんじゃないかと思います。ご参加いただいてる先生方からも、自分のところはこういう風なことしてるよ、などの情報共有をいただければ、お互いエリアは違えど切磋琢磨していけるんじゃないかと考えています。

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